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ユニークなIPアドレス(世界に一つだけ)
これは、TCP/IP講習で説明する内容の補足を書いたものです。講習後や途中で参照して下さい。
「私は誰?」 IPアドレスのこと
貴方がコンピュータをインターネットにつなげる時に、一度は「接続設定」を行ったと思います。
その時にプロバイダから送られた書類などを見ながら、例えば次のような数字を打ち込んだことでしょう。
プライマリDNS [143.90.130.37]
この数字は、「インターネット・プロトコル・アドレス」 (IPアドレス) と呼ばれます。
IPアドレス
[143.90.130.37]は、コンピュータ に割り当てられた認識番号と言えます。(ネットワーク機器に割り当てられます)
IPアドレスは、32ビットの正数で表しますが、2進法は私たちに分かりにくいので、10進数で表しています。
しかし、コンピュータは 2進数で処理します。そこで、[143.90.130.37]を2進数にしてみます。
具体的な例を見れば分かりやすいと思います。
143
|
90
|
130
|
37
|
10進数
|
10001111 |
00011010 |
10000010 |
00100101 |
2進数 |
間のピリオドを取って、並べてみましょう。
10001111000110101000001000100101
コンピュータには理解できても、私たちには直感的ではありません。
もう一度、32個の数字を10進数にしてみましょう。
まずは、8個づつ4つの組に分けます。
10001111 00011010 10000010 00100101
境にピリオドを入れます。
10001111 . 00011010 . 10000010 . 00100101
まだ、私たちには分かりづらい数の表し方です。ですから2進数を10進数にします。
143 . 90 . 130 .
37
この数 [143.90.130.37] が、インターネットに接続するコンピュータを認識するための数字です。
繰り返しますが、この数字を「IPアドレス」と言います。
ネットマスク
ネットマスクは、所属を表します。
次の例で説明します。
IPアドレス |
192.168.0.1 |
ネットマスク |
255.255.255.0
|
IPアドレスとネットマスクの一部分を抜き出してみます。
(1):11000000 -> 192
(2):11111111 -> 255
------------
(3):11000000
(1)と(2)の両方に 1 がある場合には、(3)に 1 を書きます。
(1)と(2)の両方に 1 がない場合には、(3)に 0 を書きます。
同じことを 「IPアドレス」と「ネットマスク」の両方に 1 がある時は 1 を、
無い場合は 0 を、「ネットワーク」に書きます。
IPアドレス |
192.168.0.1 |
11000000 .
10101000 . 00000000 . 00000001 |
ネットマスク |
255.255.255.0 |
11111111 .
11111111. 11111111 . 00000000 |
ネットワーク |
192.168.0.0 |
11000000 .
10101000 . 00000000 . 00000000 |
ネットマスクは、先頭から 1 が続きます。
先頭から何個(何ビット)分 が1であるかを、1 の個数で表すこともあります。
上記の例では、ネットマスクは、255.255.255.0 です。
ビットで表すと、11111111.11111111.11111111.00000000 です。
先頭から 24 個が 1 です。そこで、これを「/24」と表します。
この表現を使って、IPアドレスとネットマスクを [192.168.0.1/24] と表します。
もう一つ、別の例を見て下さい。
IPアドレス |
192.168.1.1 |
11000000 .
10101000 . 00000001 . 00000001 |
ネットマスク |
255.255.255.0 |
11111111 .
11111111 . 11111111 . 00000000 |
ネットワーク |
192.168.1.0 |
11000000 .
10101000 . 00000001 . 00000000 |
「IPアドレス」と「ネットマスク」の両方に 1 がある時は 1 を、
無い場合は 0 を、「ネットワーク」に書きます。
この例では、IPアドレスとネットマスクを [192.168.1.1/24] と表します。
ネットマスク 255.255.255.0は、0xffffff00 なので、ff.ff.ff.00 と区切り、表すこともあります。
ネットワークとホスト
IPアドレスは、「ネットワーク部」と「ホスト部」からできています。
例えて言うならば封筒に書いてある、「住所」と「宛名」です。
便せんに書かれたデータは、封筒と言う名の塊となり、「住所」に送られ、「宛名」にある本人に送られます。
メールなどのデータは、IPアドレスに示されるコンピュータに届きます。
ですから、インターネットに繋がるコンピュータは、同じIPアドレスを持つことは、ありません。
ただし、プライベートアドレスは別です。
さて、このページを見ている貴方のコンピュータは、インターネットでは、ただひとつのIPアドレスを持っています。
例えば、 219.180.118.39 などです。
これが、
219.180.188.39 /24
219.180.118.40 /24
などになります。
赤字は「ネットワーク部」
黒字は「ホスト部」
インターネットを流れるデータの塊は、例えば次の様になっています。
メールだと、
宛先:192.168.1.1 |
データ:こんにちは。 |
ただし、これは話しを簡単にするために、ヘッダとデータの内容をかなり省略しています。
「名前と数字 (電話番号も覚えられないのに、、、、)」 DNSのこと
インターネットの基本部には、現在 13個のネームサーバが在ります。
これらはルートサーバと呼ばれ、DNSによるデータ検索で重要な役割を果たしています。
ルートサーバーのIPアドレスは次のところから得ることができます。
ftp://ftp.rs.internic.net/domain/named.root
最大転送単位 MTU:Maximum Transmission Unit
MTUは、一回に送信できるパケットの大きさを表します。
各データリンクのMTU
IPの最大MTU |
65535 |
Hyperchannel |
65535 |
HIPPI |
65280 |
ATM |
9180 |
EEE 802.5 Token Ring |
4464 |
FDDI |
4352 |
Ethernet |
1500 |
PPP |
1500 |
EEE 802.3 Ethernet |
1492 |
IPの最小MTU |
68 |
MTUの単位は、オクテット。 1オクテットは8ビット、1バイト。
IPプロトコル上位層は、表にあるMTUよりも大きなパケットの送信を要求するかもしれません。
また、経路の途中でパケット長よりもMTUが小さな経路を通過するかもしれません。
これに対処するために、分割化処理(フラグメンテーション)を行います。
分割化処理は、IPパケットを複数に分割する処理です。
受取り側のホストで複数のパケットは、一つのパケットに戻しIPプロトコルの上位層に渡します。
余談ですが一時、 ADSLを使用しているコンピュータのブラウザが、特定のサイトを表示できない事がありました。(今も起こる現象でしょうか?)
東京めたりっく通信やNTT東西フレッツADSLのPPPoEでは、MTUが1454オクテットです。
上表のように PPPや一般のEthernetは1500オクテットです。
この46オクテットがその原因の一つとなっています。
対処法は以下をご覧下さい。
http://www.jp.freebsd.org/www.FreeBSD.org/ja/FAQ/ppp.html#MACOS-WIN98-PPPOE-FREEZE
その他にはgoogle
にてADSLとMTUをキーワードに検索するといいでしょう。
RWIN(Receive Window Size) は、相手先の応答なしに、無条件でデータを受け取るバッファ量のことです。
MSS (Max Segment Size) は、パケットのデータ部分のことです。
最適値は、RWIN = MTU-MSS * 10
Windows 9x では、 MTU 576 , RWIN 2144がデフォルトです。
NTTフレッツADSL は、 MTU 1454, RWIN 16384を設定すると良いそうです。
TCP/IPのツール
http://www.dslreports.com/front/drtcp.html
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