[globe3.ddns.org]
古いものは何処へ?
注:以下の方法は、AWARDのBIOSを搭載しているコンピュータに限って出来ます。
USBを使いたい
最近のコンピュータならば、USBコネクタを差し込むだけで使えるのですが、私のコンピュータは、BIOSの設定が必要です。
[USB Controller]を[Enabled] にすることでUSB機器が使えるようになります。
ここで、コンピュータを再起動します。
ありっ!! 真っ暗です
ケーブルも接続し、電源も入っています。でも真っ暗。
電源を入れてもピポッとも鳴らないし、何もしない。
電源を入れ直しても状況は変わりません。もしかするとこれがBIOS飛ば
しなのでしょう。
BIOSとは?
BIOS (Basic Input Output
System)は、コンピュータに電源を入れると、メモリやマウス、キーボードなどがつながっているかを確認し、それらを使えるようにしています。
ですからWindows等は、BIOSが無いと使えないのです。 BIOSが正常に働かないとPCは使えないのです。
私のPCはそうなってしまいました。
コンピュータの中を覗くと、シールの張ってある部品があります。 最近のコンピュータは違う形の部品があります。

抜き出してみましょう。
左がBIOSを納めている部品です。右は時計です。
左の部品自体かその中身(BIOS)が壊れたのでしょう。
翌日のこと
部品を買う事を考えて、数件の部品屋に電話で確認すると「もうないよ」との返事でした。
そうすると手持ちの部品を復活させるしかありません。
2つの部品をもう一度挿し込み、電源を入れると普段の画面が現れましたが、
"キーボードがつながっていないよ"
と表示され、しかも電源が入れ直り、キーボードがつながっていないと再度表示します。
この繰り返しを行っています。でも、ここで一つ気づきました。
フロッピーディスクを一瞬読み込もうとしています。
みなさんの手元のPCも電源を入れると、フロッピードライブのランプが点滅したり 液晶表示が明滅するでしょう。
BIOS復活
フロッピーを入れて電源を入れると、フロッピーディスクを読み込もうとしました。
それならば、BIOSとこれを部品に書き込むソフトをフロッピーディスクに仕込めば、
書き込みができるかもしれません。
最近のBIOSはいくつかに分割して構成されていて、それらが個々に格納されています。
BIOSの書き換えを行ったとしても、BIOSの入れ物である部品そのものが物理的に壊れていない限り、全てが飛んでしまう事が少ないそうです。(部品屋
のお兄さんのお話)
ですからフロッピーを読み込もうとする部分が生きていれば、キーボードが使えなく、さらに画面が表示されなくても再度書き換えが可能なのだそうで
す。(これもお兄さんの入れ知恵)
もう一つ方法があります。手持ちのPCをROMライターとして使います。
OSによりますが、BIOSの内容はメモリに入るために、BIOSの入ったチップからは読み込みを行いません。
別のPCを起動後にBIOSの入ったチップを抜き取ります。次に書き込みをするROMを差し込みます。
後はBIOSを書き込むソフトを使い、BIOS本体をROMへ送ります。
書き込みに使ったPCの電源を切り、ROMを交換します。
フロッピーの準備
Windows98やWindows2000,MeをMS-DOSモードで再起動し、プロンプトの状態から以下の入力をします。
FORMAT A: /U /S
上記の方法でフロッピーディスクを初期化し、コンピュータが動くディスクを作ります。
" /U"には完全フォーマット、"/S"には、システムを転送する意味があります。
続いて、マザーボードメーカが提供するBIOS書き換えソフトとBIOSの実体ファイルをフロッピーにコピーします。
今回の患者は「GIGABYTE586HX」ですので、http://www.gigabyte.co.jp/support/support.htm
から[5hx_29.zip]を持ってきて展開し、[5hx_29.bin] と [af535a.exe]をフロッピーにコピーしました。
[af535a.exe]がBIOS書き換えソフト、[5hx_29.bin]がBIOSの実体ファイルです。
最後に「メモ帳」等のテキストエディタを使って、以下の内容を作成し、フロッピーディスクに"AUTOEXEC.BAT"というファイル名で保存し
ます。
af535a.exe 5hx_29.bin /py /sn
/pyは書き換えの実施、/snは現在のBIOSのバックアップを行わない意味です。
バックアップを行わないのは、そもそもキーボードが使えない状態なので 、バックアップの指定ができないのです。
コンピュータ本体の準備
できるだけ単純な構成にします。LANカードやSCSIカードを抜きます。
コンピュータと同じコンセントに炬燵やヒーターやテレビ等が挿さっていたならば抜きます。
BIOSの書き込み中に電圧の変化は禁物です。
ルームメイトが喉を渇かしているようならば、先に電子レンジで牛乳を暖めてあげましょう。猫が居るならば、さりげなく抱いていましょう。
心の準備と共に電源プッチ!!
上記のように作成したフロッピーディスクをコンピューターに入れ、電源を入れます。
MS-DOSが動き、BIOS書き換えソフトも動きました。



無事に書き込みが終り、電源を切るか入れ直すように表示されました。
古くなったものに囲まれて想う
BIOSを書き換える前に、秋葉原の何件かの部品屋に同じ部品があるか尋ねました。
結果は、どの店も扱っていない との事でした。
5年を過ぎたものは、もう「一般的」ではなく、探しまわらないといけないのです。
「大切なデータはバックアップを!」と本には書いてあるし、私自身も人にそう言っています。
そのようにバックアップを取った大学時代のDOSや一太郎のファイルは、食パンの大きさがある、5インチのフローピーディスクに収まっています。ちゃんと
乾燥剤と一緒に保存してあるのでカビも生えていません。
でも5インチのフロッピーを読み取る装置が、手元にありません。
-- 「ただ古いだけだよ。新しい媒体に移せばいいだろう」 --
確に、5インチフロッピーを読み取る装置は探せばまだあるから、書き換えが出来ます。
でも書き換えをした、今流通している記憶媒体 (MOやCD-ROM)
が、5インチフロッピーディスクと同じ道をたどらないと誰も言いきれないでしょう。しかもワープロを使ったファイルなどは、変換も行う必要があります。
私が持つデータの量はたかが知れているし、貴方にとっては重要なものではありません。
しかし企業や銀行のデータ、保険・国際機構のデータは重要です。記憶媒体が変化すると同時に、20年か50年ごとに莫大な量のデータの総変換と総入れ替え
を繰り返すことを考えると高くつくし、そんな仕事をする事を思うとうんざりします。
世の中のデータは、50年や100年先でもちゃんと読めるのでしょうか?
「アップルパイのおやつが食べたいな。今何時?」「えーとね、1998年3月13日の3時」
今度はコンピュータの時計が"可笑しく"なりました。
電源を入れた時に、どうしても去年以前に設定されるようになりました。
しかも1秒を1.5秒程で数えているようで、どんどん遅れていくのです。
これは、時計の働きをする部品に内蔵されている電池の寿命です。 ものにより差がありますが、5年から10年の寿命です。
同じコンピュータに使える部品を偶然、持っていたので入れ替えましたが、 それも4年前のものです
(時計マークがプリントされているもの)。やはり一度、部品を探しまわらないといけないようです。
古いものは何処へ行くのでしょう ?
[globe3.ddns.net]