木目の格子が、青色の背景に白く描かれる平目と秋刀魚(?)に奥行きを持たせています。この組合わせが店の奥にあるので、広く見えるように思いま
す。ガーデニングでは、緑色の植物の前に格子状の柵を設けて奥行きを持たすテクニックがあるそうです。これも、錯覚を使った視覚効果の一つです。
上の図の青いものは、何に見えますか?
一目見ただけでは判らないと思います。
では、音ではありませんが、雑音を入れます。
赤く塗られた背景に、青色の文字が見えませんか?
雑音があるので見にくいものが意味あるものに見えたり、
雑踏の中の人の話し声が聞き取れます。
さて、上図の虫食い文字は最初に見たように、意味のないものには
見えていないと思います。脳が記憶で「補完」しているのでしょう。
眼鏡を私がかけ始めた時に、眼鏡と肉眼の視野の境に見える物が、連続して見られることを不思議に思っていました。視野の境に惑わされずに車を運転で
きたり、視野の境に見えるマグカップを掴めるのが不思議でしたが、それは、脳が補正しているのでしょう。補正というよりは再構成しているので、ありのまま
を見ていないのです。「見る」ことは、考えると考えるほど不思議です。
私が飲んでいる途中でたまに鼻先にちょこんと眼鏡を載せ、グラスを持とうとしてこぼしてしまっても、酔っぱらっているのではなく、それは実験中なのです。
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