これは、Siril 1.4系 + GraXpert 3.1.0 rc2 の天体画像処理のメモです。
処理の内容について、使い方や、気づいた事を記載しています。
使い方は、次の投稿にあります。
ここにある工程の全てを、画像に対して行わないこともあります。
2025年5月現在、記述途中です。
- 前処理 : OSS, Drizzle
- 勾配補正 : BE
- 色補正 SPCC : Spectro Photometric Color Calibration
- (後に行う場合もある) 飽和を補正する : Desaturate Stars
- (後に行う場合もある) グリーンノイズを除く、 マゼンタ補正 :SCNR
- 星画像とStarless画像に分離 : StarNet2
- 星画像を処理 : 桃色星 “Pink Star” 対応 : 補色関係を用いる
- 星画像を処理 : 飽和を補正する : Desaturate Stars
- 星画像を処理 : GHS, Modified arcsinh transform
- 恒星の処理 : Deconvolution : GraxPartで星画像のみに逆畳み込み
- 星画像を処理 : Deconvoution : Sirilで行う場合の逆畳み込み
- Starless 画像を処理 : グリーンノイズを除く、 マゼンタ補正 :SCNR
- Starless 画像を処理 : Deconvoution (逆畳み込み)
- Starless画像に : Wavelet
- Starless画像に彩度を調整する: 画像はClip
- Starless画像にディノイズ : Denoising
- Starless画像にストレッチ : ヒストグラム変換HT, GHS
- 星画像とStarless画像を再合成 : Star Recomposition
- ノイズを低減 GraXpert : Denoising彩度を再調整する場合には: 画像はClip
- ブラックポイント : 背景の暗さ
前処理 : OSS, Drizzle
スクリプトを指定のディレクトリへ保存する。
フラット補正を含ませる。
勾配補正 : BE
- GraXpert
- Sirilでは、
background sample には、なるべく星を入れない様に打点する。[samples per line → 生成] では、打点上に星の有無を確認する。前処理でフラット補正をしないならば、その替わりに、割り算、[division]を選択します。
色補正 SPCC : Spectro Photometric Color Calibration
Sirilでは、Gaiaデータを事前にダウンロードしなくても、SPCCを行えます。
Siril は該当箇所のデータを、その都度ダウンロードします。GNU/Linuxの場合、~/.config/siril/download_cache/ fit及びcsvファイル
再度、SPCCを行うときは同じデータを使用している。
(後に行う場合もある) 飽和を補正する : Desaturate Stars
(後に行う場合もある) グリーンノイズを除く、 マゼンタ補正 :SCNR
- 場合により、このSCNRは行わないことがあります。
- SCNR処理後に、ニュートラルグレーにした背景が、マゼンタに偏ってしまうので、マゼンタの補色がグリーンの関係を使い、反転させた画像に、再度 SCNRを行う。
ただし、赤色星雲画像には行えません。
星画像とStarless画像に分離 : StarNet2
- StarNet Star Removal
星画像も必要なので、[Generate star mask]にチェック
星画像を処理 : 桃色星 “Pink Star” 対応 : 補色関係を用いる
ビットレートいっぱいまで情報が入った14bitの画像を、16bitへ変換する時に、
14bit画像情報を3倍し、16bitにした後に、”1″に正規化する場合は、それ以上の増幅ができない。
14bit画像情報に空の14bitを3つ付け足して、16bitにした後に、”1″に正規化する場合は、増幅できる。
14bit情報を4倍にして16bit情報にする場合 → 16384+16384+16384+16384 = 65536
0から1までに正規化した情報を4倍にする場合 → 0.25+ 0.25+ 0.25+ 0.25 = 1
0から1までに正規化した情報に空の3倍を足した場合 → 0.25+ 0+ 0+ 0 = 0.25
飽和星は、R,G,B 全てが同じ値になっている。
ワンショットカラーカメラなどのRGGB画像に対して、RチャンネルとBチャンネルを増幅すると、RBのピンクや桃色、紫色になってしまう。
- カラー反転させた画像にSCNR [グリーンノイズを除く]
- 再度、カラー反転させて元画像にする。
星画像を処理 : 飽和を補正する : Desaturate Stars
この先の処理方法に応じて行う。もしくは、星画像のみに行います。
スターファインダーを画像(データは常にリニア)に適用すると、星の周りに楕円が表示されます。楕円がマゼンタ色になっている場合は、その星が飽和していることを意味します。
飽和している星がある場合は、 findstar で行った調整結果を考慮して星のプロファイルを再構築するアルゴリズムを用います。
[Dynamic PSFウィンドウ] で “Moffat” プロファイルを全ての恒星画像に対して使用します。
このツールは線形画像で実行することが重要です。
そうしないと、星にガウス/モファット プロファイルがなくなり、計算が無効になります。
PSF: Point Spread Function : 点光源がどの様に広がっているかを表す。
星の点光源は、観測や撮影時に必ずボケる。撮影する天体像は判っているのでPSFが正確に解れば、元画像に戻せる。これが Desaturate や 逆畳み込みの発想です。
でも、処理に用いる数式は近似です。光学系F値や、エアリーディスク、追尾誤差、シンチレーションが含まれる天体画像に対して、Desaturate や 逆畳み込みを行うと、画像が部分で壊れるかもしれない。
星画像を処理 : GHS, Modified arcsinh transform
恒星の処理 : Deconvolution : GraxPartで星画像のみに逆畳み込み
Siril の逆畳み込みを使う場合もあります。
- Siril Dynamic PSFウィンドウで Moffat プロファイルを使用する。
- Profile type:は、[Moffat]を用いる。
“読み込み中の画像の星を検出し、点像分布関数を計算” → Σ”選択した星に関するPSFパラメーターの平均” → consoleコンソール上に表示された、FWHMの数値を、GraXpart “image FWHM (in pixels)に入れる。 - [Stars-only], [Deconvolve Image]
星画像を処理 : Deconvoution : Sirilで行う場合の逆畳み込み
- 分離前の画像から、Dynamic PSFウィンドウで Moffat プロファイルを用いて全ての恒星
- 逆畳み込みの値を決める
[PSF form stars]を選び、[PSF size]を “15” 以上に変えてみる
[Generate PSF]を押して、PSF値を求める。 - 星画像を読み込む
- 必要に応じて、星画像に Deconvoution を行う :逆畳み込み
Iterations: 1前後 ??
Gradient descent step size: 0.0003 - 場合により、arcsinh transform を行う。星画像はClipさせる。リスケールは場合に拠る。
- わかり易いファイル名で保存する
Starless 画像を処理 : グリーンノイズを除く、 マゼンタ補正 :SCNR
- SCNRを行う。
- SCNR処理後に、ニュートラルグレーにした背景が、マゼンタに偏ってしまうので、マゼンタの補色がグリーンの関係を使い、反転させた画像に、再度 SCNRを行う。
ただし、赤色星雲画像には行えません。
Starless 画像を処理 : Deconvoution (逆畳み込み)
GraxPert を用いて星部分とその他の部分に逆畳み込み処理をしたいが、処理結果に満足出来ないならば、Siri
- 必要な星雲や銀河を [選択範囲で切り抜き]
- 分離前の画像から、Dynamic PSFウィンドウで Moffat プロファイルを用いて全ての恒星、若しくは、[Amplitude range]を用い0.01〜0.7の範囲を使用する。
- 逆畳み込みを行う
[PSF form stars]を選び、[PSF size]を “15” 以上に変えてみる
[Generate PSF]を押して、PSF値を求める。「下向き矢印」を押してその値を保存できます。
Iterations: 2024 〜
Gradient descent step size: 0.0003 若しくは、 0.000? - 切り抜き画像で上記のそれぞれの値を試した後に、[Undo]を押して元画像に対して、逆畳み込みを行う。
- 処理には時間が要るので、珈琲、紅茶、お茶を用意して、おやつを楽しみましょう。
- わかり易いファイル名で保存する。
Starless画像に : Wavelet
Starless画像に彩度を調整する: 画像はClip
Starless画像にディノイズ : Denoising
Starless画像にストレッチ : ヒストグラム変換HT, GHS
[symmetry point]を換え、複数回、変換を行うと、より良いコントラストを得られる場合があります。
Colour stretch model について
R,G,B全てのチャンネルに対して同じ変換を行う
ArcsinhStretchと同様に、色を変えずにストレッチを行う。
変換したピクセル値が1を超える場合の処理は、[Clip mode]で選ぶ。
- independent channel values
- Human weighted luminance
Human weighted luminance,which stretches based on a luminance value weighting the R,G and B channel values, which applies the stretch to the S component in HSL space.
R、G、Bチャンネル値を、重み付けした輝度値に基づいてストレッチを行い、HSL空間のS成分にストレッチを適用します。 - Even weighted luminance → Evenly?? weighted luminance
Evenly weighted luminance, which calculates the stretch based on a luminance value weighting the R,G and B channels eaually.
均等に重み付けされた輝度。 R、G、Bチャンネルを均等に重み付けした輝度値に基づいてストレッチを計算する。 - Saturation stretch
In saturation mode the saturation histogram curve is shown in yellow.
彩度モードでは、彩度ヒストグラム曲線は黄色で表示されます。
- independent channel values
- Human weighted luminance
- Even weighted luminance → Evenly?? weighted luminance
- Saturation stretch
HSL色空間
Hue(色相)、
Saturation(彩度)と、
Lightness若しくは、Luminance(輝度)の3つの成分からなる色空間
Clip mode について
- Clip
変換したピクセル値が “1”を超える場合には、1に変換する。
→ 輝星やその周りの明るい色が変わる。 - Rescale
変換したピクセル値が “1”を超える場合には、”1″を超えたピクセルのみ、割り算を行う。
→ 輝星などは、それだけ暗くなる。 - RGB blend
変換したピクセル値が “1”を超える場合には、RGBモードで変換した値とブレンドする。
→ 輝星は、白っぽくなる。 - Global rescale
変換したピクセル値が “1”を超える場合には、その最大値を調べて、全ピクセルの値をその最大値で割る。
→ 輝星などの色は保たれるが、画像全体に割り算が行われるので、画像全体が暗くなる場合がある。
星画像とStarless画像を再合成 : Star Recomposition
- Star Recomposition
- starmask画像→BE,SPCC,画像を分離,反転画像にSCNR,逆畳み込み,Desaturate Stars→Modified arcsinh transform
- starless画像→BE,SPCC,画像を分離,SCNR,(反転画像にSCNR),逆畳み込み,Wavelet,HT,GHS,Satu,graxpert-denoise
BE:
SPCC:
SCNR:
HT:
GHS
Satu:
graxpert:
ノイズを低減 GraXpert : Denoising彩度を再調整する場合には: 画像はClip
ブラックポイント : 背景の暗さ
Clip (%) が、0.001%前後、若しくは、0.01%前後
この数値は、R,G,B各チャンネルの合算値です。
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