VeraLux と Siril

非AIで行う天体画像処理

VeraLux Nox

VeraLux Noxは、Zenith Membrane(ゼニス・メンブレン)と呼ばれる概念を基盤とした、決定論的な背景モデリングエンジンを導入しています。このアルゴリズムは、統計的サンプリングや曲線近似によって勾配を推定するのではなく、離散ポアソン方程式を直接解くことで、空の背景を物理的に弾性を持つ表面として再構築します。
https://www.youtube.com/watch?v=eK9VU1d-VP0

VeraLux Silentium

VeraLux Silentium Pythonスクリプトは、Sirilのリニアステージ向けに特別に設計された、強力な非AIノイズ除去エンジンを導入しています。

AIベースとは異なり、Silentiumはリニアデータに対して直接処理を行うため、微弱な構造や細かなディテールを保持しつつ、制御された方法で、天体画像に適した安全な手法により背景ノイズを低減します。これにより、微細部分の誤認識や過度な平滑化を行うことなく、ストレッチ処理の前にクリーンなデータを得たいユーザーにとって理想的な解決法となります。
https://www.youtube.com/watch?v=N4CUQA2X-cE

Silentium を用いるには、”Defaults”ボタンを押して、初期状態でノイズ除去を行うと良いでしょう。
なぜなら、Silentiumは、ノイズの統計計算を行うからです。

  • スペースキーを押し続けると、未処理の画像、オリジナル画像が表示される。
  • 赤枠はプレビュー
    • ノイズ除去を確認したい部分をクリックします。
    • 戻すには、画面上のどこかをクリックするか、「1:1ボタン」をクリックします。
  • Noise Intensity:
    ノイズ除去強度
  • Detail Guard:
    微細構造の保護
  • Chromeinance:
    3色、カラー画像に対してノイズ除去を行います。チェックボタンを外すと輝度のみのノイズ除去
    数値が上げると、カラーノイズ除去を強く行います。
  • Deep Space Smoothness (Shadows): 陰(かげ)部分の滑らかさ(?)
    ノイズ除去を行った後に、天体構造がぼやけ始めたならば、この数値を上げていきます。
  • Use findstar (.lst) for Star Protection:
    恒星にノイズ除去処理を行わないように、Sirilのfindstarを用います。
    作業ディレクトリに、listファイルが作られます。内容は、Dynamic PSFの数値です。
  • Auto Starless Detection:
    恒星が無い画像にノイズ除去を行う時にも、このチェックを使います。

プレビュー画像で良好なノイズ除去が得られたならば、”PROCESS”ボタンを押して、処理を全画面に適応します。

Siril 画像処理の流れ

Name:
Processing: Siril 1.5 beta, VeraLux, StarNet2, Cosmic Clarity, GraXpert
Star Processing Python script: VeraLux Nox, Aberration Remover, Cosmic Clarity Sharpen
Galaxy Processing Python script: GraXpert, SyQon Prism

Siril 1.5 betaを使って画像処理します。

  • Background Extraction: VeraLux Nox
  • SPCC (Gaia Spectrum: G2Vなど)
  • 別名でファイル保存
    • 恒星処理
      • Desaturate Stars: 今回は未使用
      • Aberrations Remover: 必要に応じて
      • Deconvolution: Cosmic Clarity Sharpening, Stellar Only (Stel_amt=0.24, Nstel_str=3)
      • Starnet 2
    • 銀河星雲処理
      • ノイズ除去 : VeraLux Silentium (Strength= ,  )
      • Deconvolution: GraXpert (Strength=0.64)
      • Starnet 2
      • ストレッチ(HT,GHS)
      • Wavelets Transformation
      • ノイズ除去 : VeraLux Silentium (Strength= ,  )
      • 色補正: Color saturation 65%, threshold 1.00
  • Star recomposition

Cyril Richardさん と オープンソース

Cyril RichardさんとRich Stevensonさんが対談してます。
https://www.youtube.com/watch?v=Y6b3VVf-tvk

対談を聞いてみると、

Siril開発者のCyril Richardさんは、理論物理学者です。
天体物理学分野では分光学、氷の分析、系外惑星の大気を研究してるそうです。
彼曰く、それらを行う量子力学者だそうです。

彼はLinuxのみで作業をするので、Linuxで動作する、無料で自由な天体写真処理ツールが欲しかったそうです。当時はそれが無いのでSirilを開発したそうです。

Sirilの始まりは、Christian Builさんの “IRIS”のLinux版としてでした。これが2005年の事でした。
一時中断していた開発を、2012年ころから、Cyril Richardさんが、その後を引き継いだようです。

Sirilの名称は、元の”IRIS”の文字を後ろから並び替えて、IRIS → iris → siri
そこに”Linux”の先頭文字の “l” をつなげる形にしたようです。”siri” + “l” => Siril
UNIXやGNUに見られる命名法です。 Cyril Richardさんの名前とは無関係です。

量子力学者の彼は、ノイズの多いデータを扱う事には慣れていたので、Sirilの画像処理アルゴリズムも厳密さと信頼性が高くなるように努めているそうです。

彼はきちんと動作して、綺麗な画像が得られる、Linux上のプログラムが欲しかったそうです。
無料であり、しかもオープンソースのプログラムが欲しかったので、Sirilをその形にしたそうです。

オープンソースで開発した事に因り、Sirilは広がりを見せたと思えます。
マルチプラットフォームになり、Pythonスクリプトでの処理が可能になり、多くのプログラマー、テスターが参加し、開発がより速くなりました。また、開発に掛かる費用を、金銭や環境の寄付で賄えるようになりました。

昨今は、AIでプログラム開発が出来ます。
ですが、そのプログラムがより良くなる為に必要な事は、何でしょうか?
それは、オープンソースプログラムであり、それゆえに多くの人に楽しまれながら、育まれ、より大きく育つことが出来ます。

Cyril RichardさんとRich Stevensonさんの話しから、強くそう思いました。

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